プロダクト制作の記録

「Ukiyo Hotel Project」では
演劇とは違う角度でも
『ウキヨホテル』を表現したい……
という構想をずっと抱いていた。

2017年の夏、
ミュージカル
『日本国、横浜、お浜様』公演のすぐ後に、
本牧に地縁があり、
リサーチの協力や舞台写真を撮ってくれた
写真家の加藤甫くんと
役者を集めて写真撮影を行った。
物語の余白の部分、
また「こうだったかもしれない」という
物語の可能性を写真という形で
実験してみたかった。
その時撮影した1000枚近い写真たちは、
ずっとパソコンの肥やしとなっていた。

「UkiyoHotelProject」第1弾の朗読劇に向けて、
それらの写真で何かできないか、
加藤くんに相談を持ちかけた。


■2018年6月3日 21:25
加藤くんから
デザイナー三浦佑介さんの
紹介を受ける

加藤甫(以下加藤):
去年の撮影をやって、
アウトプットが見えにくく、
自分の中で消化しきれない
モヤモヤを感じていて。

どうせ何かやるなら、
ただ写真を展示するとかじゃなく、
他にも誰か巻き込んでやりたい!
センスがよく、
アイデアが膨らんで、
写真とデザインでキャッチボールができて、
印刷に対する知識や情熱のある人。

そしてそんな人が
最近事務所の横に越して来たんだけど、
紹介していい?(笑)

三浦佑介(以下三浦):
はじめまして!
もともと加藤くんとは、
仕事ではなかなかできない
チャレンジしたいことあるよねって、
よく2人で雑談してるんです。
移住した縁もあって、
横浜を知る機会にもなって嬉しい!

加藤くんから聞いた
河田さんのプロセスと、
自分が普段大切にしている
デザインのプロセスを
勝手に重ねてシンパシーを感じた!

なにかおもしろいことが
できたらうれしいな。

河田:(仲間がふえた……
ここまでメッセージでの
やりとりだから
直接会えてないけど……

(去年撮影した写真がすでにあるので、
それでまずなにか作ってみても
良いのではということに)


■2018年6月18日 12:57
三浦さんから紙ものの試作品が
いきなり送られてきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河田:すごい

三浦:ありがとうございます。
それとB1の大きなポスターを
作成しようと考えておりまして、
印刷会社と製紙会社に
協力していただけそうで、
色々トライアルできそうです。

河田:(この人やる気だ・・・)

三浦:これです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河田:(もうあるんかい・・・)
めっちゃ素敵じゃないですかすごい

三浦:まだいっぱい作ってあるよ


■2018年6月21日 19:39
三浦さんから
またデザインが送られてくる

三浦:あ、ごめんなさい。
あれ没にしました(笑)

河田:えーーーーー!!!!

(ポスターの採用案が送られてきた)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三浦:いろいろ作ってみたけど、
主人公のハマコにフォーカスを当ててみた。
ハマコ独特の色気と憂愁を
写真から感じたんだけど、
この写真いいよね。

台本を読んで、
自立する女性の強かさってなんだろう?
と思うことがあって、
そういう問いを
そのまま「ハマコ」の佇まいで
象徴的に扱いたいなと。

劇中のモデルとなりそうな
当時のチャブ屋の鱗壁や、
本牧の桜などのモチーフを
アール・デコ調に
構成して仕上げた。

演劇が、
当時の時代を再現するというより、
現代にアレンジしている
印象だったので、
過去と現代をうまく融合できれば……
という思いはあったかな。

タイトルや装飾はシルバーのイメージで、
過去から「ウキヨホテル」が
蘇るかのように
光の加減で消えたり現れたり。

そんな幽玄なイメージになるんだろうか……
印刷テストしないとわからん(笑)

河田:・・・超素敵じゃないですかすごい

三浦:ありがとうございます

河田:・・・
(何?この情熱は・・・)
(・・・わたしも
負けないように
がんばろう・・・)


■2018年6月28日 0:46

三浦さんと加藤くんも顔合わせにきて
座組と飲んだ
……その夜

河田:(解散後)今日はありがと!
またあいましょ!

三浦:
こちらこそありがとう!
やっぱ現場やね。
今回の空気は新鮮で面白かったなぁ。
またお会いしましょ^ – ^
役者さんって面白い。

加藤:うん、今日はいつにも増して、
生であることの大切さを実感しました。
次回はもう一歩二歩、
深いところに降りていけるといいすね!

 

 

 

 

 

 

 

河田:(三浦さん・・・
よかった・・・・・・)

(実のところ、三浦さんとは
この時がようやくの初対面でした)


■2018年6月29日 13:29

本牧で急遽ロケハンへ

(ポスターの仕上がりが見えそうな頃、
加藤くんが新たに撮影したいと
燃えていた、そして河田も。
同時に、新たに撮影した写真で
物販用のポストカードを作ることに決まる。)

河田:関係ないけどきょう本牧いくよ〜

加藤:お、じゃあロケハンしよう、早めに来て

三浦:ショウコさんカモーン

河田:!!!?

(注)ふたりは本牧在住ではない

 

 

 

 

 

 

■2018年7月3日 10:52
ポスターのテスト印刷

 

 

 

 

 


三浦:ポスターの色校正のために
印刷会社へ行ってきた!
ヤバイ!
いい感じ!!

マットなシルバーの紙に印刷。
UVインクジェット印刷に
チャレンジしてみたのだよ。

加藤:あぉーーーーはやくみたい!!
今しがた韓国出張から
羽田に戻って来ましたー

三浦:白インクの濃度と画像調整をしよう!


■2018年7月4日 16:28
6日の本牧での撮影をつめる
加藤くんと河田

(3人でロケハンに行った後も、
加藤くん1人で改めて
ロケハンに行っていたという
……すごい。

今回の
ポストカード制作のためのモデルさんは、
谷口あかりさん=ハマコ
真嶋一歌ちゃん=ヤエの設定で
お2人に協力していただけました。
本当にありがとうございます!!)

加藤:今回のハマコは、
「性の怪物」という面と
「人間・ハマコの闇の部分」が
多く描かれているように感じました。

ヤエから見た
「美しく強い自立した女性」
……という理想像<光>の部分と、
その時代に女性が
そう生きなければ
ならなかった<闇>の部分。

ヤエはその<闇>から
ハマコを脱出させようと試みるが、
ハマコはその<光>が虚像で
あることを知っている。
無垢で純粋なヤエの若さこそ、
ハマコにとっては<光>。

ハマコはヤエには
自分と違った生き方で、
「美しく強い自立した女性」
……という<光>を
見つけて欲しいと願っている。

今回の撮影で
撮りたいと思うのは、
営みとしての<闇>ではなく、
人間・ハマコの闇の部分
……かなと思っています。

それがハマコが彷徨っているとか、
海を見つめているとか、
そういったハマコの個人的な時間。

(台本の中では、
ヤエが時折
垣間見ているハマコ。)

あ、あと天気予報が、
当日雨ですな(笑)
着替える場所とか必要だね。

河田:濡れてるかんじは
ワタシ的には歓迎(笑)

加藤:おなじく!
チャンスがあれば
海にも入ってもらおうかと
思ってた(
笑)

ただアフターケアが必要よね。
時間ないか……

河田:でもさ、
写真てほんと……というか
写真に限ったことじゃないけど
チャンスって1回しかないじゃない、
やれることはやりたいよね。
海にも入ってもらいたいもん、
着替え持ってって、
お風呂入ってもらえば良いと思う……
というか稽古場は
なんならホテルでいいのか……。

(というわけで加藤くんが、
早朝ロケに向けて
海沿いにあるホテルを予約)

 

■2018年7月6日 15:49
豪雨の中撮影終了し、
ホテルで稽古後、
メッセで反省会

河田:加藤くん、
おつかれさまありがとー
いまから寝まーす

加藤:カメラは
水が乾いたら
ちゃんと復活しました(笑)
昔のカメラは強い~
今日35mmのフィルムが
あがってくるよ!
楽しみ!!

三浦:!!おおっ。
良かった!
写真楽しみだなぁ

加藤:なんか、もっとたくさん
撮りたくなったよ。
100人のハマコ、みたいな(笑)

三浦:彼女たちのファンも喜ぶねw
素敵!!

加藤:最初のイメージとしては、
「海の中にハマコ立ってる……」
みたいな感じだったんだよ。

河田:
うんうん。

加藤:以前車の中から見た景色も
撮ってよかったかもね。

海は海で……
「海の中に入って撮る」と
決めてよかったかもしれない。
雨対策に追われた感じがあったよねー。
海はやりたいことが
やりきれなかったなぁー。

河田:またやろうよ、
ようすもわかったしさ。
とりあえず基地は公衆トイレにつくる 笑
傘でこどもの頭くらいのサイズの
くらげはとりのぞかない 笑

 

 

 

 

 

 

 

 

■2018年7月10日(火) 22:42
物販のポストカート8枚組用に写真を選ぶ三浦さん

 

 

 

 

 

 

加藤:ポストカードセレクト中

河田:めっちゃしんけん(笑)

三浦:パズル状態やわ〜ん。
とりあえず今日は遅い、
終了!

河田:おつかれさまー!!

加藤:事務所の外でやってた(笑)
構成の骨組みはだいぶできた!

■2018年7月12日(木) 11:29
ポスター完成

 

 

 

 

 

 

 

 

三浦:出来たぞ!

◎制作協力
平和紙業株式会社(http://www.heiwapaper.co.jp/
印刷会社ショウエイ(https://www.shoei-site.com/

河田:ぬああああああ!!!!!!!
やばい!!!!
世界で一番おしゃれな
ミュージカルのポスターであることは
まちがいない

■2018年7月13日(金) 15:46、
ポストカート試作

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真をセレクトしてできたポストカード8枚を、どう最終的にまとめるか悩む)

加藤:おぉーーーー!

三浦:ダミーで作成してみたけど、
こんな仕様に。
どう?

納期と予算考えて、
ポストカード8枚を包む紙は、
トレーシングペーパーを予定してる。
蝋引き加工したかのような
味わいのある表情が
生まれるんじゃないかな……と思う。

加藤:希望していた
写真があったけど、
このテスト用の
写真が良いんじゃ……(笑)

三浦:これはこれで
ぴったりきてんよね(笑)
あまり考えずに入れたんだけど……。

加藤:ピッタリすぎますね(笑)

(さらに試作……)

三浦:加藤くん希望の写真から
2つ選んで作成してみたよ。
どっちがいいかな……

加藤:なんかテストのやつが
一番よく見えてしまう(笑)

三浦:それな

加藤:ハマりすぎましたよね(笑)

三浦:紙を開くと、
2人が手を繋いでいるのが
見える仕様に偶然なったのよね。

ハマコとヤエの関係って、
手を繋ぐほどの
一目で分かりやすい距離感ではない
と考えていたのだけど、
紙を開く行為が入ることで
ワンクッション置かれたと言うか、
これはこれで成立してるかも……
そんでもって、
包み紙はカラー印刷でいこう!

……こうしてプロダクト制作は続くのでした。